動画撮影を行う場合、まずは動画撮影に伴う機材を揃える必要があります。しかし、実際にはどのような機材を用意すれば良いのか分からない方もいるでしょう。また、動画撮影時に必要となる機材の選び方が分からず、悩んでいる方も多くいるのではないでしょうか。
そこで今回は、動画撮影時に必要な機材と、機材の選び方について詳しく解説します。動画撮影を行いたい方や、どのような機材を選べば良いか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
冒頭で述べたように、動画撮影を行うためには、撮影機材を用意する必要があります。
動画撮影時に必要な機材は、主に以下の4つです。
・撮影用カメラ
・カメラの固定台
・録音用マイク
・動画編集ソフト
ここでは、4つの機材の特徴や必要性について、詳しく紹介します。
撮影用カメラは、動画撮影において主軸となる撮影機材です。撮影対象をレンズに収めることで動画が作られるため、撮影用カメラがなくては動画撮影を行えません。
動画撮影によく使われる、さまざまなカメラの特徴は、以下の通りです。
一眼レフカメラ・ミラーレスカメラ | ・高画質の動画が撮影できる ・写真用機材のため、ピント調整機能に優れている ・広角レンズや望遠レンズなど、交換レンズの種類が多い |
ビデオカメラ | ・高画質の動画が撮影できる ・ビデオ用機材のため、手ブレ補正など便利な補正機能が多い |
コンパクトデジタルカメラ | ・中~高画質の動画が撮影できる ・軽量なミニサイズであり、カメラを長時間持って撮影しても疲れにくい |
ウェアラブルカメラ・アクションカメラ | ・高画質の動画が撮影できる ・体に装着したまま、一人称視点で撮影できる |
スマートフォン | ・手持ちの端末で、手軽に動画撮影できる ・スマートフォンのみでは撮影性能に限界があり、本格的な動画撮影には向かない |
動画撮影は、撮影用カメラを固定台に据えることが一般的です。固定台を使用することで、画面がブレることなく、両手をフリーの状態にできます。
固定台のタイプを大まかに分けると、三脚と一脚の2種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
三脚 | ・カメラを固定する雲台の下に、三本の脚が伸びている ・自立できるため、長時間の動画撮影に向く |
一脚 | ・雲台の下に一本の脚がついており、基本的に自立できない ・三脚を展開できないときに使われる |
撮影用カメラは、基本的にマイクが付属しています。しかし、カメラのマイク機能は性能が低いことが多いため、よりクリアな音声を届けられる録音用マイクがおすすめです。
録音用マイクには、以下の3種類があります。
カメラ装着型外部マイク | ・カメラの入力端子に接続する ・カメラ本体に固定して、撮影方向に合わせることで、高い集音性を持つ |
ガンマイク | ・離れた距離から音声を収録したいケースに適している ・単一指向性が高く、撮影対象のクリアな音声を録音できる |
ワイヤレスマイク (ピンマイク) |
・録音機器と有線接続しない ・マイクを持った状態で、コードに縛られず動ける |
動画編集ソフトは、撮影した動画データを編集するソフトです。
録画した映像をそのままサイト上などにアップすると、動画の再生時間が長くなり、視聴しても冗長で面白みがありません。しかし、カットや修正などを駆使することで、見やすい動画を作ることが可能です。
高度な動画編集を行うためには、動画編集ソフトが必須となります。また、ソフトを使用するためのパソコン、撮影動画を保存するための外部ストレージも用意しておきましょう。
動画撮影に必要な機材が分かったら、次に動画撮影機材を揃えましょう。動画撮影機材は高価な商品が多いため、実用的なものを選ばなくてはなりません。
では、具体的にどのような動画撮影機材を選べば良いのでしょうか。ここでは、各撮影機材の選び方を詳しく紹介します。
カメラを購入する際は、以下の5つのポイントを押さえた上で選びましょう。
フレームレート | 1秒間に撮影できるコマ数を指します。単位はfpsで表され、30fpsのカメラであれば1秒あたり30コマの撮影が可能です。撮影用カメラを選ぶ際は、30fpsが基準となります。 |
解像度 | 動画を構成している1コマの画像に、使用されているピクセル数のことです。解像度が高いほど、画質はきめ細かくなるでしょう。 |
手ブレ補正やズーム機能などの有無 | 補助機能があると、撮影手法の幅を広げることができます。 例えば、カメラを手持ちで撮影するなど、撮影に慣れていないときは、手振れ補正機能のあるカメラを選びましょう。 また、運動会など、注目したい被写体がいるときは、ズーム機能があるカメラを選ぶことがポイントです。 |
オートフォーカスの精度 | オートフォーカス機能は、自動で被写体にピントを合わせてくれます。早く動く被写体を撮りたい方は、高速オートフォーカスの製品がおすすめです。 |
連続撮影時間 | 連続的に動画撮影できる時間を指します。一眼カメラやコンデジなどは、連続撮影時間30分以下の製品が多いため、注意が必要です。 |
次に、カメラ台選びのポイントを紹介します。三脚・一脚と、雲台の選び方は、以下の通りです。
〇三脚・一脚
三脚・一脚を選ぶ際は、高さと素材に注意しましょう。
高さ | 高さは、脚を伸ばした状態で、自分の身長より30~35cm低いくらい が目安です。 |
素材 | 素材にはカーボン製とアルミ製の2種類があり、カーボン製は軽量かつ剛性があります。 一方で、アルミ製はカーボンより重さはありますが、剛性もあり、価格が安いといった特徴があります。 |
取り付けネジの規格 | 取り付けネジの規格は、同じ規格同士で合わせることが一般的です。 取り付けネジの規格には、国内メーカーで使用される「1/4インチネジ」と呼ばれる細ネジと、海外メーカーや国内製の大型製品で採用される「3/8インチネジ」と呼ばれる太ネジがあります。 |
カウンターバランス | カウンターバランスが搭載されていることで、手を離しても倒れることがありません。 また、カウンターバランスは、カメラの角度を保つための機構であるため、レンズを上や下へ向けて撮影する際に重宝します。 |
耐荷重 | 耐荷重についてもチェックが必要です。 耐荷重よりも重量のある大型カメラや、外付けマイク・照明がある場合、映像がブレる可能性があります。 |
〇マイク
以下の4つは、全てのマイクに共通していえるポイントです。
指向性 | 指向性には「無指向性」「単一指向性」「超指向性」の3種類があります。 無指向性は、360°全ての方向から集音するため、環境音を収録したい場合におすすめです。一方、特定方向の音を集音したい場合は、単一指向性を選ぶと良いでしょう。 単一指向性よりも狭い範囲から集音し、雑音を排除して音声を収録したい場合は、超指向性のマイクが適しています。 |
モノラルorステレオ | 被写体が1人など、録音する音が一箇所から発生している場合は、モノラルタイプのマイクが最適です。 反対に、複数の箇所から発生する音を拾いたい場合は、ステレオタイプのマイクを選ぶことをおすすめします。音の遠近により、臨場感を出したいときにも向いています。 |
風防の種類 | 風防には、「ウィンドスクリーン」と「ウィンドジャマ―」の2種類があります。 ウィンドスクリーンは、黒いウレタン製のスポンジ素材で、風防として一定の機能性があり、音質への影響が少ないことが特徴です。 一方、ウィンドジャマーは、フサフサした毛で覆うタイプの風防で、強風の中でも風切り音が入りません。ただし、高音域の音が減衰する点に注意が必要です。 |
電源方式 | 電源方式にも2種類あり、
プラグインパワー方式は、カメラ本体に接続することで、電池残量を気にせず使うことができます。ただし、接続時にノイズが混入する可能性があるため、注意しましょう。 電池式の場合は、ノイズが入ることはほぼありませんが、電池残量が分からないため、電池残量を気にしながら使う必要があります。 |
周波数 | 2.4GHzが一般的とされています。ただし、Wi-FiやBluetoothにも使用される周波数であるため、場所により干渉が発生する点に注意しましょう。 |
受信距離 | マイクを装着したまま動く・歩く場合は、受信距離の長いモデルを選ぶことがポイントです。 |
最後は、動画編集ソフトと関連機器選びのポイントを紹介します。
〇動画編集ソフト
動画編集ソフトは初心者に使いづらい製品もあります。ソフトの操作性と、メーカーのサポートがあるかを確認してください。
操作性 | インターフェースや編集機能の使用方法が分かりやすく、操作しやすいかをしっかり確認した上で、自分に適した製品を選びましょう。 |
メーカーのサポート | 使用時のバグに対応できるよう、メーカーサポートが万全な製品を選ぶことが重要です。 |
スペック | 動画編集ソフトの要求スペックは、最低限満たす構成にしましょう。CPUとメモリはスペック以上に、ソフトの動作に必要であればGPUも組み込むことがポイントです。 |
ストレージ容量 | 外部ストレージ容量が大きい場合、編集途中のデータを保存しやすくなります。機器間のデータ移行も簡単にできるため、ストレージ容量が大きいものを選ぶことがおすすめです。 |
動画撮影に必要な機材は、撮影用カメラ・カメラ固定台・録音用マイク・動画編集ソフトの4つです。簡単な動画であればスマホだけでも撮影できますが、高品質の動画をアップするためには、本格的な機材が必要となります。
ただし、動画撮影を初めて行う方は、初心者でも扱いやすい撮影機材を選ぶことがおすすめです。
動画撮影で失敗しないためにも、今回の記事で紹介した動画撮影機材の選び方を参考に、自分の使い方に適した撮影機材を揃えましょう。