動画は、短時間で非常に多くの情報を伝えることができる、優れた情報媒体です。
そのため、現在では多くの企業が自社の紹介動画を制作し、自社事業の宣伝やプロモーションビデオなどに活用しています。
また、昨今におけるSNSなどの普及も、紹介動画を制作する企業が増えた一因でもあります。
紹介動画を使用する企業が増えた現状では、凡庸な紹介動画を作ったところで話題にならず、ただ無為に費用を消費するだけに終わってしまいます。
そこで今回は、企業紹介動画を作るメリットや映像制作のポイント、企業紹介動画の費用対効果を高めるための方法を紹介します。
企業紹介動画の制作には、3つのメリットがあります。ここではまず、企業紹介動画を作ることで得られるメリットを3つ紹介します。
●消費者との信頼関係を構築できる
消費者の中には、販売企業のことを知らずに製品を使用している人が数多く存在します。
企業紹介動画の中に、商品開発の様子や製造工程を含めれば、消費者は普段使っている製品のことや販売企業のことに興味を持つでしょう。
まずは、企業自体に興味を持ってもらうことが大事です。興味を持ってもらえれば、後々の努力が消費者にも分かってもらえるようになり、信頼関係に繋がるでしょう。
●理念やビジョンなどの抽象的な内容を分かりやすく伝えられる
理念やビジョンは文章や静止画で表現するよりも、情報量をより多く含むことができる動画の方が伝えやすいものです。
そのため、現在の企業実態や企業が持つ理念、将来的なビジョンなどをイメージしやすい映像を作り上げることができれば、ブランドイメージの向上に繋がります。
●公開していない施設もバーチャル見学という形で公開できる
所有している工場やラボの映像を企業紹介動画に含めることで、視聴者の注目を集められます。施設の見学会は、消費者や求職者へのアピールとしても有効な方法です。
本来は公開していない施設をバーチャル見学という形で公開することで、自社が注力している事業や業務について興味を持ってもらうことができます。
企業紹介動画を導入した企業を数多く知っていても、導入したことによる成果や、導入前と導入後で異なる点といったことを知っている人は少ないでしょう。
ここでは、企業紹介動画の成功事例を3つ紹介します。
【事例①】
さまざまな商品を取り扱う総合商社Aでは、企業が掲げている理念と事業内容を動画で紹介しています。多くの映像素材を使用し、A社の沿革から各種事業説明に繋げることで、会社の全体像を視聴者が理解できる構成となっていることが特徴です。
動画の各所では社会的な使命や立場を伝えることにより、会社のブランドイメージを構築し、将来的なビジョンも訴えています。企業理念の説明だけに留まらず、自社の課題についてメッセージを投げかけることで視聴者を考えさせ、信頼感を獲得することに成功しました。
【事例②】
求人広告を主幹事業としているB社は、シンプルな社員インタビュー形式の企業紹介動画を発信しています。一つの質問を投げかけ、社員一人ひとりが3~10秒程度の時間内で答えていく動画構成です。B社の社員が確固たる考えを持って働いていることに、視聴者は驚きを持ちながら共感できるでしょう。
また、B社の企業紹介動画では、年齢・国籍などの多様な社員が登場します。止まることなく流れるインタビューメッセージは、企業が多様性を尊重し、社員も団結して動いていることを強く印象づけています。
【事例③】
大手食品メーカーのC社は、自社が掲げる「地球資源を守る」理念を説明するために、自社工場の取り組みを紹介しています。
製造ラインにおける水資源の利用削減を、具体的な数字とイメージ映像で表現している点が、視聴者からの注目を集めました。
また、各廃棄物も自然を汚染しない方法で排出していると伝えることで、C社の取り組みに対する理解や、理念の周知に成功したと言えるでしょう。
また、動画内ではC社工場内の様子も撮影されています。白く衛生的な内装や丁寧に行われる業務は、視聴者へ商品の品質に対する安心感を与えます。
企業紹介動画は制作して終わりではなく、公開した動画を視聴者が見た後に、企業に興味を持ったり、行動をしてもらえたりして初めて成功と言えます。
そのためにも動画制作では、視聴途中で「飽き」が来ない動画構成にすることが重要となります。ここでは、企業紹介動画を制作する上で考慮すべき、動画構成の重要なポイントを3つ紹介します。
成功する企業紹介動画を作るためには、目的を明確にする必要があります。動画制作の際には、以下にあるような目的をしっかりと持った状態で制作を進めましょう。
動画の目的を明確にすることには、ターゲットを絞りやすくなるという効果もあります。
動画制作の際には、消費者・顧客・従業員などの中からターゲットを見定め、ターゲットに響く内容や方向性についてしっかりと検討しましょう。
企業紹介動画のイメージは、会社や商品のブランドイメージに合わせる必要があります。
例えば安心感が根幹にあるサービスの周知に使用する動画では、消費者の商品や企業に対する信用が大切であるため、軽薄なイメージを与えるような動画は適しません。
消費者が魅力に感じているブランドイメージをしっかりと把握し、ブランドイメージをより増幅させるような構成にしましょう。
あえて既存のブランドイメージと異なる動画を制作する場合は、視聴者の反応を予想して、新しいイメージに問題がないか考慮しましょう。
新しいブランドイメージを持ってほしいなどの明確な目的がある場合を除き、視聴者の持つブランドイメージと異なる動画は失敗する可能性が高い点に注意しましょう。
視聴者に見てもらえる企業紹介動画を作るためには、前述したように動画の構成をしっかりと考える必要があります。
より多くの視聴者に動画を見てもらうためには、伝えたい情報を端的に、分かりやすく映すようにしましょう。
企業紹介動画とはいえ会社説明や事業内容について映すだけでは、視聴者が飽きてしまいます。動画にメリハリをつけるためにストーリー性を導入する、適度に場面を切り替えるなどの工夫を忘れてはなりません。
企業紹介動画を多くの人に視聴してもらうためには、当然ながら多くの人目につく場所で公開する必要があります。また、制作した動画をそのまま使用するだけでなく、他の使用方法も考えると、より費用対効果が高まります。
最後に、企業紹介動画の公開場所や活用方法を紹介します。
●受付横のデジタルサイネージで動画を流す
会社の受付まわりは多くの人が出入りする空間です。社員はもちろん取引先の人も訪れるため、受付横のデジタルサイネージで紹介動画を流すと高い効果が見込めます。
一般的に、受付をしてから担当者が出てくるまでは数分かかります。受付で待っている人に向けて企業紹介動画を発信することで、待ち時間で企業について理解を深めてもらうことができます。
●企業紹介動画を30秒動画に再編集してSNS広告として出す
自社Webサイト用やイベント映像用として作成した企業紹介動画は、編集することで別のことに活用できます。
例えば30秒動画に再編集してSNS広告として出すことにより、広告費用を抑えながらインターネット上における認知度向上に役立ちます。
現代はさまざまなSNSが登場しており、SNSの種類ごとにユーザー層や興味を持たれやすいコンテンツが決まっています。企業紹介動画をSNS広告として活用する際は、SNSの種類ごとに見られるユーザー層を把握して、広告を出すようにしましょう。
企業紹介動画を制作する際には、上記のような公開場所や違った形での活用術も含めて計画を立てるようにしましょう。
インターネットやSNSの普及により、動画を見る機会が増えた現代では、動画は非常に重要な情報媒体ツールとなりました。伝えられる情報量も従来の方法に比べて多く、企業紹介のために動画を制作し成功している企業が多数存在します。
企業紹介動画を制作する際には、伝えるイメージも重要ではありますが、視聴者のことを考慮した構成の動画であることも重要です。
ターゲットとなるユーザーをしっかりと想定し、ユーザーの持つイメージから大きく異ならない構成にしましょう。
動画の使用方法も、一つだけでなく複数の方法を想定することで、費用対効果を高めることができます。企業紹介動画の制作を検討している人は、ぜひ参考にしてください。